2012年5月30日水曜日

飛んでBerlin


見たかったもの

  • チェック・ポイント・チャーリーの集合住宅
  • 帝国議会(連邦議会)改修
  • アルテス・ムゼウム
  • 新ナショナルギャラリー
  • オランダ大使館


運悪く帝国議会もオランダ大使館も予約がいっぱいなので又の機会にというような話。

チェックポイントチャーリーの集合住宅は、
OMA作品で市街地に埋もれているものを見たのが初めてだったせいか、
今までみたOMAの作品と違う印象を受けた。

とはいえ、直に見たものといえばカサダムジカとツォルフェライン炭鉱跡の博物館だけ
なので違うのは当たり前かもしれない。

穴の開いた庇が伸びていているが、
特徴的な造形をチェックポイントチャーリーの交差点から感じることはない。

断面の設計にコンセプトの面白さが詰まっているはずなのだが、
一階のマックしか入れないし
プログラムの積み重なり=ベルリンの縮図としての建築を体感できなかった。

ゼンゲリスとザウアブルッフという組み合わせにかなり期待していただけに
ちょっと物足りなかった。
ちゃんと見れなかったことが大きい、モノは悪いわけではないと思う。


アルテス・ムゼウムはドイツ新古典主義の巨匠であり、
ミース・ファン・デル・ローエにまで影響があるとされる
シンケルのオーダーとプロポーションをとくと見る。


フランスの新古典はローマ的なドームの要素が強いし(パンテオンはじめ)、
理論化された3種のオーダーを積むものだが、
ドイツ新古典はギリシャの要素を純化しているように思う。
ドームも中心に位置しているものの支配的ではない気がする。
(ま、印象論ですけどね)

ミースのナショナル・ギャラリー。
梁背がやや予想より大きい。
本当にピュアな作り、で建物芸術である。
「社会性とかプログラムとかそういう話はいいの、黙って見なさい」と言われるよう。

重々しい鉄骨の重厚感と四周ガラスで外から内部、向こう側の外部が重なって見える。

鉄骨で作られたギリシャ神殿。



その他、シザの集住がすっかり汚されていたり(立地によるものが大きい)、
ザウアブルッフ・ハットンのしましまの湾曲オフィスのファサードの作りをみたり、
駅舎をリノベーションした美術館シリーズのハンブルク駅美術館をオルセーと比較したり(オルセーの方がもともとの駅舎もいいし、リノベーションも上手い)
西欧における火葬場を始めてみたり、
ペローの土木的な操作をVelodromeとスイミングプールで考えたりした。


ペローについて

彼の経歴がなせる技なのか、土木的な手法で建築のあり方を変えてしまうことが多い。


梨花女子大や、Velodrome、フランスの国会図書館もある意味では
地面の下に埋没させるのは土木的だといえる。


Velodromeを鉄道の線路沿いから見て気づいたことだが、
しばしば建築写真で見られるような窪地に沈み込んだ見た目より、
線路沿いの高架下のようなファサードが市民には見えているのではないだろうか。

高架下の空間を利用するアイディは腐るほど学生コンペや学校の課題で見るが、
土木構築物の持つある種のおおらかさを建築にまとわせることで、
建物が意図せず獲得する強さ=暴力性を操作している。

盛土の上に植栽があるせいで、ランドスケープ的とみられることもあるが、
ランドスケープが意識的にせよ無意識的にせよ自然を擬態しがちなのに対して、
ペローはもっと意識的に土木構築物=人工物を作ろうとしているのではないだろうか?


「フランス庭園は極めて幾何学的な造形で植物を加工するではないか」
という指摘もあろうが、
建築を柔らかくするという意図でランドスケープを用いるのならば、
ピクチャレスクや自然派のアプローチになるのではないだろうか。

造園設計は専門外な上に
現代フランスにおけるランドスケープデザインの主流がどういうものなのか
あまり良くわからないので、
色々言ってもしょうがないのだが、

ランドスケープ的という言葉はペローには不適切であり、
土木的というほうが適切な気がする。

2012年5月24日木曜日

Köln

留学が残すところわずかだと気づき、
ドイツ国内を全然見ていないので急遽旅に出る。

件のコンペの2次提出も波乱の後にクリアし、
準備期間がなかったので電車での移動とする。

思い立って2日、
Quer-Durchs-Ticket(42Euro)でRE以下の電車乗り放題なので
8時間かけてKöln(Colongne)に到着。

途中に止まりたい街がいくつもあったが、
宿代が高いので厳選したプランである。


いつかドイツまた来たい…

ケルン大聖堂はずんぐりむっくりな印象。
都市軸と建築の軸がねじれている上に、
鉄道駅との関係で足元の広場のあり方がかなり特殊。

翼廊の正面の広場が最も人が多い。

ZumthorのKolumba Museumはすでに閉館時刻。
日を改めることに。